初心者が聴くべきHIPHOP25曲のそれじゃない感が半端ない
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初心者におすすめする楽曲とは、どういうものだろうか。
J-HIPHOPに興味を持ち、他の曲も聴いてみたい。また背景や歴史を知りたい。
そういう方に向けておすすめするのが、初心者向けの選曲だと考える。
そう考えると違和感を覚える、下記のエントリ。
著者はヒップホップ大好きで、ヒップホップ育ちだそうです。悪そうな奴は大体友達かどうかはわかりませんが。
僕のようなもぐりが出る幕は無いかと思ったけど、全部昔よく聴いてた曲だったので安心しました。
25曲+25曲は(被っているものもチラホラ)J-HIPHOPの歴史を知る上では、欠かせない名曲には違いない。でも、J-HIPHOP初心者におすすめかと問われると、疑問が残るラインナップではないでしょうか。
J-HIPHOPシーンで人気があった曲ばかりだけど、全般的に古く、初心者がJ-HIPHOPに聴いてみようと思っても、「自分にはちょっと合わないみたいだから。」と敬遠するかも。
特に最初のエントリに関しては、言及するまでもない(偏り過ぎて話にならない)ので、UNDERGROUND FLAVORさんの記事について言及していきたいと思う。
ということで、ヒップホップあまり聴いてなかった人でもわかるように、ジャパニーズヒップホップをさらっていきたいと思います。これはJ-POPだとかHIPHOPじゃないとか言う意見もありそうだけど、ぼくも初心者で、これは初心者向けのおすすめなので、ご理解ください。
元記事については、とても丁寧なまとめなので、言及するのもおこがましいのだけれど、あちらがコアなのに対し、メジャーなヒップホップシーンで振り返ってみたい。本当に、初心者的な意味で。
ジャパニーズヒップホップに興味が沸いたという初心者の参考になれば幸いです。
J-HIPHOPの黎明期(1994)
初めてまともにお茶の間にHIPHOPが入ってきた記念すべき一曲。もちろんゴリゴリのHIPHOPではないけど、大きな枠組で見たら間違いなくHIPHOP。でも当時が血気盛んなHIPHOPニュージェネレーション達に「こんなのHIPHOPじゃねえ」と的にされたのは言うまでもない。
これは「今夜はブギーバック」の説明で、初期のHIPHOPといえば間違いなくこの曲が入る。後に加藤ミリヤがカバーしたことで知った人も少なくないだろうと思う。
この原曲、小沢健二featuringスチャダラパーの「今夜はブギーバック」がリリースされたのは1994年の話。
日本のヒップホップシーンが産声を上げた年に、ヒップホップミュージックとして初のミリオンセラーを記録した曲が発売された。
Da.Yo.Ne
EAST END×YURIの一枚目のシングル「Da.Yo.Ne」。この曲は初のミリオンに加え翌年、1995年に紅白歌合戦にも出場し、ラップミュージックを世に知らしめた。その後、1996年には活動休止したものの、間違いなく日本の音楽文化に影響を与えた1曲。
1999
ヒップホップカルチャーに貢献したDragon Ash。先の記事「Grateful Days」と同日リリースしたシングル「I LOVE HIP HOP」。HIPHOPを全面に押し出した曲だったけど、イルスキルなトップランカーZEEBRAがゲストボーカルとして参加していたため「Grateful Days」の方がヒップホップ色の強い評価となってしまった不遇のタイトル。
2001
今も音楽シーンに影響を与える名曲「come again」
今でもカバーがリリースされ続ける不朽の名曲「come again」がm-floからリリースされたのは2001年のこと。青山テルマのカバーで好きになった人も多いと思う。
他にもBeat Buddy BoiやMAAなどがこれまでカバーしている。
その当時の原曲はこちら。オリコン上位に長らくランクインし、クラブでも定番の曲として流れていた。クラブミュージックを基調としたトラックとLISAの歌声は、それまで男性中心に支持されていたヒップホップが、女性にも広くも受け入れられるキッカケを作ったように思う。
RIP SLIME
「STEPPER'S DELIGHT」を引っ提げ2001年にメジャーデビューしたRIP SLIME。翌年には、夏の定番ソング「楽園ベイベー」リリース。同年、日本のヒップホップアーティストとして初の日本武道館ライブを開催した。この頃にKJ同様、KICK THE CAN CREWと共にK DUB SHINEに「公開処刑」でディスられている。
KICK THE CAN CREW
RIP SLIMEがデビューし、m-floが「come again」をリリースした2001年にクリスマスをヒップホップに染めた曲がある。KICK THE CAN CREWの「クリスマス・イブRAP」だ。ヒップホップファンだけでなく、普通のカップルまでも、この曲をバックミュージックにクリスマスを迎えた。
コアなヒップホップファンからは叩かれ続けたものの、その後につづく「マルシェ」など、ヒップホップのメジャーシーンを支えたアーティストには違いにない。
2002
餓鬼レンジャー
餓鬼レンジャーはこれまで紹介したものとは毛色が違うのだけど、一般のファンも多い。理由は後述。「リップサービス・モンスター」も「火ノ粉ヲ散ラス昇龍」もカッコいいのはもちろんだけど、当時、衝撃的だったのは「リップサービス」に収録された「シド&ナンシー」だと思ってる。衝撃的すぎて紹介できない。J-HIPHOP初心者におすすめしたいのは「ラップ・グラップラー餓鬼」。
TVアニメ「グラップラー刃牙」にインスパイアされてつくられた曲でPVにも使用されている。刃牙の映像を観ているつもりが、いつの間にかポチョムキン独特のフローの虜になっているはず。
餓鬼レンジャーといえば地元愛が強いユニット。熊本出身のポチョムキンは同じく熊本出身の水前寺清子と次のような曲もリリースしている。歌詞に謳われている「肥後」は熊本の昔の名称で、今でも親しまれている呼び名。「おてもやん」は熊本の祭り。ほかにも、歌詞の一部に熊本を全面に打ち出した曲も多い。ヒップホップにあまり興味がない人でも、熊本県民には人気だったりする。肥後、Big Up。
2004
KREVA
KICK THE CAN CREWの活動を休止したあと、ソロデビューしたKREVA。デビューシングルの「音色」は今でもリリースしたシングルの中で最高セールスとなっている名曲。2006年にはJ-HIPHOPソロアーティスト初の日本武道館ライブを行った。当時のジャパニーズヒップホップ全盛期から現在も活躍し続ける数少ないアーティストの一人。
2006
SEAMO
インディーズから活動期間は長かったけど、SEAMOがメジャーで注目を集めたのはこの頃。「マタアイマショウ」と合わせて人気となり2006年に紅白出場を果たした。この頃はJ-POPシーンもDJ OZMAの「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」や、mihimaru GTの「気分上々↑↑」など、HIPHOPに大きく影響受けていた気がする。※一部誤字修正しました。ご指摘ありがとうございます。
2008
童子-T
1990年代からヒップホップアーティストとして活動してきた童子-Tが大きく注目されたのは、2008年リリースの「もう一度… feat.BENI」。初心者におすすめするなら、初シングルの「少年A」ではなく、この曲ではないかと思う。トラックはTVドラマ『ロングバケーション』の挿入曲の「Close to you〜セナのピアノ」が使われている。
ZEEBRA
ZEEBRAもキングギドラ時代を含めて、昔の名曲はめちゃくちゃあるんだけど、ZEEBRA名義で最後のリリースとなったこの曲を推したい。「龍が如く 見参!」のテーマ曲にも使われた「BUSHIDO」。ゲームも名作なので、ぜひプレイしてみてほしい。遊んだ後はヒップホップにも興味が出てくるはず。
この記事を書いた理由とか
言及先の記事は、とてもよくまとめられたリストでした。
UNDERGROUND FLAVORさんはヒップホップをこよなく愛するブログだと思います。
当時のヒップホップカルチャーにどっぷりつかってた人が、当時を懐かしむにはいい選曲だと思いますが、ヒップホップに興味を持っていないような初心者向けとしては、ちょっとディープな選曲なのかもと思い、今回の記事を書いてみました。
今回紹介した曲は、あくまでもメジャーなものばかり。オリコンランキング入りしているのも多く、有線放送では流れるけど、クラブではあまり流れないような音楽。
大音量でベースの音を響かせながらドライブしたり、クラブで仲間と合流してはフリースタイルの真似事をしてたような当時のヒップホップジャンキー達にはあまり好まれない選曲ですが、有名なものばかりなので、なんとなく聴いたことがある人も多いはず。
「あー、あれってヒップホップだったんだ」くらいに思えて貰えたら嬉しい。この頃のJ-HIPHOPに興味を持ったという方は、当時の曲をいろいろ聴いてもらえたらもっとハマるかも。
初心者におすすめのJ-HIPHOP
で、今からジャパニーズヒップホップを聴くならどんなものを聴くべきか、ちょっと書いてみたいと思います。初心者向けということで、聴きやすいものを選んでます。むしろ初心者向けしか書けない。
S.L.A.C.K.
ヒップホップ聴いてみたいという方には、S.L.A.C.K.の曲とかも聴いて欲しい。こちらは「That's me」。脱力感の心地よさが半端ない。
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I-DeA
I-DeAもカッコいい。こちらは「Walk Wit Me」。元々音楽プロデューサーということもあって、心地いいトラックが魅力。
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tofubeats
2012年にリリースした「水星」は名曲ですよね。都会的な雰囲気で初めてでも聴きやすい。平成生まれのトラックメーカーtofubeats。
OZROSAURUS
流石の貫録とも言うべきOZROSAURUS。初めて聴く人は「Profile」をおすすめしたい。この曲が気に入ったら、元ネタを探して聴いて欲しい。
ZONE THE DARKNESS
THA BLUE HERBに強く影響受けたというZONE THE DARKNESS。韻を踏むのって何?どこがカッコいいの?と思ってる方に聴いて欲しい。最初に聴いた時は震えた。
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完全に僕の好みですが、この辺の音楽もぜひ聴いて欲しいです。ジャパニーズヒップホップに興味を持ったら、昔のやつもかなり名曲が多いので、ぜひチェックしてみてください。
言及元の記事に思ったこと
どちらの記事も、J-HIPHOP全盛期に焦点が当たり過ぎてて、違和感が半端なかった。あ、KOHH めっちゃ格好いいです。
当時から凄くて今も最前線で活躍してるアーティストも多いけど、今は活動休止のアーティストとかもお勧めしててギャップを感じた。
書くなら「初心者におすすめのHIPHOP」じゃなくて「昔良く聴いてたHIPHOP」じゃないかと。最初の記事なんて、最近のヒップホップ全く聴いてないのに、「日本語ラップ好きが広まると嬉しい」とか「初心者に勧める」とかってどんな顔して書いてるのか不思議でならない。
初心者に勧めるなら、ヒップホップ知らなくても抵抗なく聴けるようなものを選曲して欲しい。 コーヒー飲んだことない人にエスプレッソを勧めるよりは、まずカフェオレを飲んでみてほしい。
そういえばどちらもまったく触れてなかったけど、たまには韻踏合組合のことも思い出してください。
一網打尽、一網打尽、一網打尽。