矢口真里を起用した日清カップヌードルのCMが素晴らしい理由
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出典:カップヌードル「OBAKA's大学に春が来た! 篇」 60秒 / ビートたけし・小林幸子・ムツゴロウ・矢口真里・新垣隆 - YouTube
ネットで話題になっている話について、思うことを書いていきたいと思います。
矢口がCM出演で「許された」か「許されていないか」というカップヌードルのCMについて。
元モーニング娘。のタレント・矢口真里が日清カップヌードルのCMに起用されたとして話題になっています。矢口は不倫騒動から活動休止し2014年10月に芸能界復帰したものの、CMに起用されることはありませんでした。「私で良いのでしょうか?」と何度も確認し、嬉しすぎて一人で泣いたと報じられています。
CMは30日からオンエアされた日清食品カップヌードル「OBAKA’S大学に春が来た!篇」。ビートたけし、小林幸子、ムツゴロウ、新垣隆氏といった大物に交じって矢口が出演している。CMストーリーではたけしが学長を務める大学で、矢口は准教授の役を演じる。
日清食品のCMサイトでは、企画意図を「人間は誰だって、一度や二度の失敗はする。『何かに夢中になって、バカになる力』『たとえ失敗をしても、這い上がる力』いま求められるこの2つの力を、説教くさくなく、カップヌードルらしいユーモアでメッセージしたい、と考えました」と説明している。だからこそ、矢口に白羽の矢が立ったのだろう。
引用:矢口真里、復帰後初CMオファーに1人で泣いた 「私でいいのでしょうか」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
今回は、矢口の話は置いておいて、カップヌードルの話をしたいと思います。
日清カップヌードルのCMって昔から大好きでした。単なる広告ではなくて、15秒や30秒という短い時間の中で、社会の問題をユーモラスに届けるCMは多くの人を感動させたり、笑わせたりしてきたことでしょう。
カップヌードルは以前、放送中止になったCMが2つあるそうです。ひとつは詳しく知らないのではここでは割愛しますが、もうひとつのCMについて書きたいと思います。
以前放送中止になった「NO BORDER」のCM
このシリーズは2004年に放送された「NO BORDER」というテーマのCM。日清カップヌードルのCMと言えばこのCMが心に残っている人も多いのではないでしょうか。
「NO BORDER」とは、そのようにカップヌードルが世界中で愛されている姿であり、また「おいしさを感じる気持ちに垣根がないように、人々の心にも垣根がなければいいのに」という願いも込めています。
カップヌードルの広告は、一貫して世界の様々な人々にカップヌードルが愛されるシーンを描いてきました。しかし、現在、世界では様々な不幸な出来事が日常的に起こり、平和なはずの日本でも不安を覚えることが多いのも事実です。
日清食品の企業理念の一つに「食足世平」(しょくそくせへい)という言葉があります。
すなわち「食が足りてこそ世の中が平和になる」という思いです。世界の誰かがカップヌードルを食べる時、少しでも「平和」について思いを巡らしてほしい、考えてほしい。これが日清食品の願いであり、多くの人々に共感して頂ける願い、「NO BORDER」であると考えています。
反戦を思わせる雰囲気が強いCMですが、日清は平和への願いを込めてこのCMを制作したそうです。そのシリーズのうちのひとつが放送中止になりました。ここで印象に残っている2つのCMを紹介したいと思います。
このシリーズの中で特に好きなCM「花編」
綺麗な花畑の映像が流れていますが、鮮やかな色彩の中に突如映りこむM41軽戦車の残骸。かつて戦地にあったことを連想させるシーン。その戦車の横で美味しそうにカップヌードルを食べるこどもたち。平和の大切さを教えてくれるCMです。
こちらが放送中止になったCM「少年編」
一人歩く少年の目の前に青く広い海岸線が映ります。少年は銃を抱える見張りの兵士。厳しい表情で海を監視します。そこに現れる妹くらいの年の少女。思わず顔がほころび、もうその表情に厳しさはありません。
一緒にカップヌードルを食べる少年と少女。少年が銃を持つシーンが問題視されていましたが、とても良いメッセージを載せたCMだと思います。
「NO BORDER」シリーズは全7作品ありますが、どれも平和を願うメッセージが込められた素敵なCMでした。気になる方は下記のリンクもチェックしてみてください。
日清カップヌードル「NO BORDER」地球篇 60s - YouTube
日清カップヌードル「NO BORDER」 希望篇 60s - YouTube
日清カップヌードル「NO BORDER」 赤の広場篇 60s - YouTube
日清カップヌードル「NO BORDER」 消える国境篇 45s - YouTube
日清カップヌードル NO BORDER 「 笑顔篇 」 - YouTube
ひとつは放送中止になったものの、メッセージ性のあるCMばかりですよね。
若者へのメッセージを込めた「SURVIVE!」のCM
こちらは2013年のCM。最近のものなので覚えている方も多いと思います。これも一部では批判を受けましたが現代社会をユニークに表現したCMでした。CMとして見たらおもしろいけれど、実際こんな感じと思える表現の仕方ですよね。
グローバリゼーションの波を乗り越えようとする等身大の今の若者たちの気持ちを、幕末から明治初期の西洋化に立ち向かう武士のような世界観で描きました。
「グローバリゼーション」と「初めての合コン」が個人的には好きです。広告だけでなく、批判されてもメッセージを込めることが、日清食品のすごいところではないかと思います。
「OBAKA’S 大学に春が来た!」篇
時に風刺的なメッセージも含めながら、感動したり面白く表現したCMを公開できる企業ってそう多くはないと思います。今回話題になっているCMの企画意図を日清は次のように発表しています。
現代のSNS時代は、非寛容な時代と言えます。
挑戦すれば、揶揄される。失敗すれば、叩かれる。このままでは、みんながちぢこまり、だれも挑戦しなくなってしまう。
でもそこで大切なのは「自分の声」を聞く勇気。そして、私たちに必要なのは、相手の失敗を許容するという態度、寛容の精神だと思います。
人間は誰だって、一度や二度の失敗はする。「何かに夢中になって、バカになる力」「たとえ失敗をしても、這い上がる力」いま求められるこの2つの力を、説教くさくなく、カップヌードルらしいユーモアでメッセージしたい、と考えました。
今回のCMについては、矢口真里が「許された」のか、「許されていない」のかに焦点が当たってる気がしますが、大事なところはそこではなく一度の過ちが許されない社会ではないでしょうか。
最後のビートたけしの表情を見たら、批判する社会の方がどこか間違っているのではないかと思いましたが、いかがでしょうか。
それではっ!